工場の植栽管理は、最低でも年に1回は依頼するとよいです。
工場の植栽を綺麗に維持することには、周囲へのイメージアップのほかにも、様々な意義があります。
今回のコラムでは、工場の植栽管理を適切に行うべき理由や作業内容、費用を安くおさえる方法、良い植栽管理業者の選び方に至るまで、しっかり解説していきます。
工場の植栽管理の3つの事例
- 年4回の草刈りは自走式草刈り機でスピーディーに
- 年1回のヤマモモなどの剪定(1年ごとに範囲をローテーション)
- 鳥居の周りの植木を1週間前に剪定
工場の植栽管理とはどんなことを行うのか、実例をもとにご紹介します。
【1】年4回の草刈りは自走式草刈り機でスピーディーに
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兵庫県神戸市のA工場では、年1回の高木剪定のほか、年4回の草刈りを行っています。
広場として作られた芝生は、サッカーコートおよそ1面分の広さがあります。
この広さの草刈りを短時間で済ませるために使うのは、自走式の草刈り機です。手持ちの草刈り機よりもずっと早いスピードで、草を刈っていくことができます。
飛び石の危険があるため、人・車両が近い芝生や端のほうの芝生は、手持ちの草刈りに切り替えて刈ります。安全性と作業効率を両立することが大事なのです。
【2】年1回のヤマモモなどの剪定(1年ごとに範囲をローテーション)
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- 1年目 入り口の植え込み・ヤマモモ植栽エリア
- 2年目 入り口の植え込み・ヤマモモ植栽とは反対側のエリア
工場の緑地帯が広い場合、上記のように範囲をローテーションして、なおかつ定期的に剪定などを行うことが、植栽を綺麗に保つコツです。大阪府枚方市のF製作所では、もう30年近くも植栽を維持しています。
隣の建物との距離が近くて剪定のゴミが落ちると困る場所では、チラシ剪定という方法で剪定をすることがあります。チラシ剪定は、手作業で枝が伸びた部分を選んで剪定していく方法で、樹形を整える場合にもよく使われます。
【3】鳥居の周りの植木を1週間前に剪定
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大阪府枚方市のB工場では、低木剪定を6月に高木剪定を11月に行っていますが、それ以外にも3月の稲荷祭に合わせて、敷地内・鳥居周辺の植木の剪定を行っています。
鳥居などの上に枝が落ちないようにしっかりと養生して、周りを取り囲む高木を剪定していきます。
特にヒマラヤスギは、何の前触れもなく太さ50cmもの大きな枝を落とすことがある(水分ストレスや腐朽など複合的な要因による)ので、休憩に入る時は枝に損傷がないか確認してから入ります。
工場の植栽管理を行うべき3つの理由
- 企業イメージがアップする
- 倒木による事故を防止できる
- 害虫被害をおさえられる
工場の植栽をきちんと管理・維持するべき理由は、主に上記の3つが挙げられます。
【1】企業イメージがアップする
工場の植栽が綺麗に維持されていると、近隣にお住まいの方々に「きちんとした企業なんだな」という企業イメージをあたえることができます。
自分が、付近で暮らす人々の立場になって考えてみましょう。木の枝がぼうぼうだったり敷地外へはみ出したりしているのが何年も放置されていたら、少し嫌な気持ちになるはずです。
工場も地域の一部分。うまくやっていくためには見た目を綺麗に維持して、近隣の方々から信頼されなくてはいけません。
【2】倒木による事故を防止できる
定期的な剪定がなされておらず、枝が混みいったまま生長しすぎた植木は、頭が重くなり倒木のリスクを抱えてしまいます。
特に、コンクリート舗装のために植木が深く広く根を伸ばすことができていない場合、倒木リスクはさらに大きいです。台風や強風を受けて一気に倒れ、工場や周辺の建物を損壊したり、通行人に危害を与えたりする可能性があります。
倒木事故を防止するため、適切な時期の植栽管理(剪定など)が必要なのです。
【3】害虫被害をおさえられる
植木を剪定せずに放置していると、風通しや日当たりが悪くなり、毛虫などの危ない害虫が増えてしまいます。よって、適切な透かし剪定や、薬剤散布が必要です。
草についても同様です。雑草を放置していると、ムカデやゲジゲジ、ゴキブリなどの発生の原因となるため、伸びすぎないうちに刈りこむことが望ましいのです。
工場の植栽管理の作業内容
- 剪定
- 伐採
- 薬剤散布
- 草刈り・芝刈り
- 施肥
- 清掃
工場の植栽管理で行う作業について、以下で簡単に説明します。
剪定
不要な枝を切って樹形を整えたり、発育・結実の調整を行います。
剪定方法には枝すかし・刈り込み・玉仕立てなどがあります。
伐採
植木が大きくなりすぎた時は、伐採を行います。
伐採とは、植木をほぼ根元から切り取ることです。
薬剤散布
害虫駆除や植木の病気予防のために、薬剤散布を行います。
毛虫の発生がなく植木が元気なら、薬剤散布はしなくても大丈夫です。
草刈り・芝刈り
草刈りおよび芝刈りは、1年に3回くらいの頻度で行います。
見た目を整えるほか、ムカデやゲジゲジなどの発生を防ぐ目的もあります。
施肥
埋め立てや造成による緑地帯では、土壌が十分な栄養を吸収できないケースがあるので、肥料を使うことは有効です。
しかし肥料をやりすぎるのもかえってよくなく、土や植木の状態を見てうまく調整する必要があります。
清掃
剪定や伐採、草刈りを行ったあとは、出た枝葉をきちんと処分します。
詰まらないように、側溝の掃除も行うことが普通です。
工場の植栽管理の費用を安くおさえるには?
当社にご依頼をくださるお客様からも、「植栽管理を安くする方法はないですか?」とよく質問されます。以下のような方法を、検討してみましょう。
- 今入っている業者を見直してみる
- 植栽管理の頻度を減らす
- 薬剤散布や肥料やりは都度行う
今入っている業者を見直してみる
今、頼んでいる植栽管理業者さんがある場合は、費用面が妥当かどうかを見直してみましょう。
地域の他の植栽管理業者さんと比べてみて、相場より明らかに高い場合、業者を変更してみてもいいかもしれません。
植栽管理の頻度を減らす
工場の規模にもよりますが、1年に1回の剪定を3年に1回入るようにするなど、頻度を減らして費用をおさえる手もあります。
玄関まわりなど人目につきやすい木や、成長の早い木のみ毎年剪定することにして、他の高木については3年ほど置いておくのです。
ただし5年や10年ほど放置してしまうと、雑木(ぞうぼく)が増えるなどして作業の規模が大きくなり、かえって費用がかかるケースがあります。
また、年に4回くらいが多い除草も、草が伸びることが気にならなければ、減らしてみてもいいかもしれません。
薬剤散布や肥料やりは都度行う
薬剤散布や肥料やりを、毎回ではなく「都度」行うようにすることも、管理コスト削減になります。
虫がついていなければその年は薬剤散布をしない、植木が元気ならばその年は肥料を撒かない、というのも選択肢の1つなのです(そもそも、肥料をあげすぎると土地が痩せてあまりよくありません)。
コスト削減にあたり、「どんな作業を」「どこまでやるべきか」しっかり相談できる植栽管理業者さんとのお付き合いが望ましいです。
工場の植栽管理を依頼する業者の選び方
工場の植栽管理を依頼する良い業者さんを選ぶためには、まずホームページをしっかりチェックしましょう。
「事例」ページで仕上がりや値段をイメージする
「事例」ページをチェックすると、仕上がりのイメージ(どのくらい綺麗に作業をしてくれるのか?)や、値段のイメージがつきやすくなります。
「お客様の声」ページで具体的にどんな点が良いのかチェックする
「お客様の声」ページをチェックすれば、具体的にどんな点が良かったのかなど、満足度をはかれます。手書きのアンケートを併せてアップしている場合、改ざんできないので、上がっている情報の信ぴょう性が増します。
資格があるのかどうかチェックする
造園技能士や施工管理技士など、資格があるのかどうかも確かめたいところです。実は植木の管理業には、基本的に資格は必須ではないので、ホームページにまったく記載が無い場合は、資格を持っていない可能性があります。やはり資格がないと、仕上がりに難が出るケースが増えてしまいますし、記載があるかないかでは、信頼度も変わってくるとかと思います。
上記をすべて見たうえで、あとは「親切なのだな」と感覚として分かる業者さんを選べば、失敗をすることは少ないのではないかと思います。
まとめ
以上、工場の植栽管理の事例や内容、植栽管理を行うべき理由、費用を安くおさえる方法や業者の選び方までをお伝えしました。
冒頭でも述べたように、敷地内の緑地帯を美しく元気に保つのであれば、年1回の手入れが望ましいです。
ただし費用を安く済ませたいのであれば、高木の剪定は1年以上間隔をあけたり、草刈りの頻度を減らしたりする工夫もできます。
もしこれから植栽管理業者さんを選ぶのであれば、この記事で取り上げたことを参考に良い業者さんを選んで、費用面の相談もしっかりできるようにしたいですね。
大阪・京都などで工場の植栽管理業者をお探しなら『植木屋松正』にご相談ください。