「隣の芝は青い」ということわざがあるように、庭づくりにおいて人気の高い芝生。
しかし実際にお庭に植えてみると「なかなか思うように青々と生長しない」「すぐに雑草が出てくる」などお悩みも多く出てきますよね。
今回は天然芝のお手入れ方法について紹介します。
天然芝の代表的な2種類
日本で普及している天然芝はコウライシバとヒメコウライシバがほとんどで、コウライシバに比べてヒメコウライシバの方が葉が細いことが特長です。
葉の大きさが違うだけで、お手入れの方法は両方同じです。
天然芝の手入れ方法
年間の手入れ
水やり
夏場は毎日水やりが必要ですが冬は水やり不要です。ホースの先にシャワーを取り付けて満遍なく水をかけます。
広い場合は夏場だけでもスプリンクラーを設置することもおすすめです。
芝刈り
5〜10月に毎月、特に伸びるのが早い7・8月は月に2回ずつ芝張りを行うことが望ましいです。
肥料やり
4〜9月に薬剤ごとの適量を与えます。おすすめはゴルフ場などでも使われているバロネス社のものです。
このひと手間で、芝の見た目が驚くほど変わります。
除草
芝の間から雑草が生えてくるので、目に付いたものは取り除きましょう。放っておくと芝より大きくなり、芝を弱らせるほか、引き抜くときに芝を傷めます。
芝刈りのときに一緒に刈ると、種が落ちてまた生えてくることもあるので、先に抜いておくことがおすすめです。
草刈機だと先ほど説明したように種が落ちますし、除草剤の場合分量が難しく個人で行うのは難しいので、面倒かもしれませんがこまめに手で抜いてください。
寒い11〜4月はお手入れ不要・張替えするなら3月に
寒い冬の間は特にお世話は不要です。ただ、張替えしたい、新しく張りたいという場合は3月頃がおすすめです。
冬場寒すぎると霜で、夏場は暑さで枯れる怖れがあるからです
芝刈りの方法
芝の長さは個人の好みで揃えると良いですが、だいたいの目安としてくるぶしくらいの高さまで伸びてきたら芝刈を行いましょう。
芝刈り機は、手押しでコロコロと転がすタイプの芝刈り機のほか、広大な敷地の場合は乗用芝刈り機などを使うと良いでしょう。
雨の日や雨上がりは草が寝てうまく刈れないので避けましょう。
古い芝・枯れた芝を取り除くサッチ取り
枯れた芝の葉は分解されにくく地表に溜まると通気性が悪くなり芝を傷めてしまいます。
年に1回程度、熊手やレーキで芝の根元に溜まった枯葉を掻き出す、サッチ取りという作業が必要です。
時期は5月がおすすめです。
天然芝を根から元気にするエアレーション
芝の根に新鮮な空気を送り活性化させるエアレーションという作業も、芝を元気にするために重要な作業です。
ローンスパイクやガーデンスパイクなど、穴を開ける装置で、芝生に穴を開け、地中に空気を送り込みます。
根から新鮮な酸素を取り込めるようになるほか、サッチなど古い組織を分解する微生物も元気になります。
5〜10月の間に1回〜毎月ほど行うと良いでしょう。
天然芝が部分的に枯れたときの対処
天然芝が部分的に枯れたら、その部分だけ張替えすることも可能です。
ただし、病気で枯れている場合は、張り替えても症状を繰り返すこともありますので、明確な原因がわからないときは一度、植木屋などプロに相談された方が良いでしょう。
芝を張り替えた後は、転圧と呼ばれる活着を良くする作業と、目土かけを行います。
天然芝の手入れ大変な場合の代替案
ここまで天然芝の手入れについて紹介しましたが、「こんなにしなきゃならないことがあるのか…」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
庭を芝生にしたいけれど、ここまでお世話するのは難しいという場合におすすめの代替案を3つ紹介します。
人工芝にする
最近の人工芝はかなり天然芝に近いものが販売されています。
1㎡あたりのコストが天然芝に比べて割高なのがネックですが、お世話不要でいつも青々としたお庭を保つことができます。
防草シートを貼る
芝刈りも雑草取りもしたくない、どくに庭の緑にこだわりがないという方におすすめなのが防草シートです。
シートの保護のため上から砂利を敷くので、雑草の生えない綺麗な砂利敷きのお庭にすることができます。
芝以外の植物を使用する
緑あふれる庭を諦めたくない、人工芝はやっぱり味気ない…という場合は、芝以外の植物を利用することがおすすめです。
最近人気のグラウンドカバー(地表を覆う植物)はイワダレソウです。
芝は直立して伸びるため、真上からの日光が差し込み雑草が生えやすいですが、このイワダレソウは横に伸び、細かい葉が地表を覆うので、雑草が生えにくいことが特長です。
芝は管理が大変なのでほかの植物を植えてほしいというご要望にクラピア(イワダレソウの一種)を植えて応えた事例はこちら↓
「小さい子どもが安心して遊べる庭にリフォーム 大阪府枚方市」
天然芝をキレイに保つにはこまめなお手入れが必要!
天然芝のお手入れについて紹介しましたがいかがでしたか?
小さな草なのに想像以上に手入れが大変という印象を持たれたかもしれませんが、その手間を惜しまないことでキレイな緑を保つことができ、育てる楽しみを見出される方も多いです。
ただ、「なんとなく芝生がいい」と思われている場合は、お世話できるかどうか考え、ほかの方法も知っておかれると良いでしょう。