生前のご主人が好きだったお庭の手入れ。
現場の状況
2年程前に、ホームページを見て、お電話を頂きました。生前、ご主人の趣味で、色々凝ったご自宅になっています。もちろんお庭にもお金をかけておられたようです。
ただ当初は全体的に大きくなりすぎており、ダイスギはしばらく手をいれずに、ボサボサになっていました。松は少し弱っています。
下草などは、前の植木屋さんが、ゴミをそのまま、木の足元においておりすっかりなくなっていました。
最初の一年は、つもりに積もったゴミの処分も行い、大きくなった樹木を少し切り詰めてコンパクトにまとめておきました。
翌年は大分と手入れがしやすくなり、足元の飛び石なども顔をのぞかせ、元の庭にもどってきたように思います。
お客様のご要望
前回と同じで、お任せします。との事でしたので、普通の剪定に加え、前回できなかった、クロマツの枝の切り残しを、綺麗に切っていく作業もしました。
芽をのこさず中途半端な所で枝を切ると、その部分は枯れて、そこから枯れ枝も増えてくることもあります。
それと同時に、作業効率も、枯れ枝がある事によって悪くなります。ただこの作業は、切り残しが多いとものすごく時間がかかるので、どうしてもほかの作業もあるので、すべてを取りきるまでにはいたりません。
今回も大分できましたが、すべてを取りきるまでにはいたりませんでした。しかし、この作業をするだけでも見栄えはもちろんよくなりますが、ある樹木医さんのお話しによると、樹勢が回復するのだそうです。
樹木の名所
先日、松保護士会に出席して参りました。
松保護士とは、全国に流行して松をからしているマツ材線虫病について、幅広い知識をもち、被害現場に適した防除対策を考え、実際に作業指導を行う専門家です。
その時に立ち寄った滋賀県の唐崎神社の唐崎の松がとても立派でしたので、ご紹介します。
舒明(じょめい)天皇5年ごろ(633頃)、琴御館宇志丸(ことのみたちうしまる)が唐崎に居住し、庭前に松を植え‘‘軒端(のきば)の松’’と名付けたことに、始まります。
現在は2代目の松の実生から育ったのが三代目の松になりますが、当時の浮世絵「唐崎夜雨図」では枝が琵琶湖まで達し、同時期の版画にも枝の東西54m・南北68.4mという注記があり、途方もない大きさになっていたことがわかります。