某チェーン飲食店からのご依頼です。新規店舗の出店に伴い、お店の庭の造園工事を行いました。
奥ゆかしく縁起のいい神仙蓬莱(しんせんほうらい)がテーマの石組み
細かい砂利をひいた上に、全体的なバランスを見ながら大きな石を配置していきます。わびさびを感じるこの光景は、日本庭園の様式の1つであり、日本のお寺などでよく見かける枯山水(石組みと砂利につけた模様で山と水を表現した様式)によく似ています。
ですが枯山水とは少し違い、今回の造園は、中国が発祥で日本では古く飛鳥時代から愛されている神仙蓬莱 (しんせんほうらい)思想をテーマにいたしました。石で仙人の住む山や鶴や亀の体を象徴している、縁起のいい庭園様式です。
シラカシとソヨゴの株立ちをバランスよく植栽
石組みの近くには、約3.5mのシラカシの株立ちと、約2mのソヨゴの株立ちを植栽しました。株立ちというのは、地際の1株から複数本の茎や枝が立ち上がっている木のことを指します。大木になりにくいため管理がしやすく、涼しげな印象を与えます。
逆に根元から1本だけメインの幹がまっすぐ伸び、太く大きく育つような木を一本立ちといいますが、今回の場合あまり大きな木は蓬莱神仙をイメージした石組みと合わなくなってしまうので、株立ちを選択しています。
シラカシの生垣は荒地からのぞく雑草の目隠しに!
造園工事前の写真にも写っていますが、飲食店の隣の敷地が荒地となっています。背の高い雑草がびっしりのぞいており、あまり気持ちのいい景色ではありません。
そこで今回はシラカシとソヨゴの株立ちと一緒に、シラカシの生垣も植栽しました。写真は施工後すぐのものですので、後ろの雑草と背丈は変わりませんが、現在は成長して雑草の背丈を追い越し、しっかりと目隠しの役割を果たしています。
ちなみに、造園で人気の高いハナミズキやヤマボウシは冬になると葉を落とす落葉樹ですので、目隠しが目的の植栽には向いていません。今回のシラカシのように、常に葉をつけているウバメガシやキンモクセイなどの常緑樹がおすすめです。
お店の造園工事も植木屋松正におまかせください!
お手入れですが、年に1回くらい剪定などの作業を行っていただくと、木々の形もキレイに保つことが出来ます! 縁起のいい石組みと、それに合うバランスのシラカシやソヨゴで造られたお庭が、たくさんのお客様の目に止まっていただければ幸いです。