自宅の庭木の剪定を、自分でやってみようとお考えのあなたに、今回は、
「庭木が元気になる剪定のコツ」
をお伝えしたいと思います。
綺麗に剪定を行うのはもちろん、庭木が元気になって、お家や人にもパワーを与える庭木にしましょう!
庭木剪定の目的は「景観改善と発育促進」
まずは庭木剪定の目的です。剪定の目的は大きく2つあります。
- お庭の景観の改善
- 庭木の発育促進
お庭の見た目は、剪定によって大きく変わります。モサモサと生え茂った高木は見る人に対して圧迫感を与えますね。
もともとは自然の中で生えていた植物ですから、どんどん成長していくのは当たり前なんですが、庭木が大きくなるのをそのままに放っておくと落葉が落ちたり、電線に木が引っかかったり、ご近所に迷惑がかかることがあります。
また、もう一つの目的は、庭木の発育促進です。生い茂った植木は、太陽の光が届きにくく風通しも悪いので病気にかかる原因にもなります。
そこで剪定を行います。剪定を効果的に行えば、庭木が元気になります。
庭木が元気になる剪定とは?イメージでお伝えします
庭木が元気になる剪定方法・コツを理論的に説明するのは、とても難しいです。
どの枝を、どれだけ剪定するかは、植木屋が長年の経験で獲得したコツを、無意識に行っているからです。
また、どの枝を切り取るのかというのも、庭木の種類や、お住まいの地域の気候によっても異なります。
ですので、ここでは庭木が元気になる剪定のイメージをご説明します。
上の図のアラカシの生垣のBefore・After写真をご覧ください。
右側が剪定を行ったあとの状態です。
剪定後の写真を拡大します。
剪定については、このような形が理想ではないかと思います。
ポイントは、
- 葉と葉が当たっていない
- 向こう側が見えない
- しかし日差しも取り込める
このようなイメージで剪定するのがコツです。
また植木全体の形もまっすぐに、場合によっては曲線に、高木や中木では、樹木の自然の形を生かしながら剪定します。
剪定におススメの植木道具と手入れ方法
剪定をうまく行うコツは、使う道具にもかかわってきます。
最低限、次の道具があれば大丈夫です。
・両手刈り込みばさみ
・剪定ばさみ
はさみの切れ味を保つためには、
手入れも非常に大切になってきます。
剪定を行っていると、庭木の「ヤニ」がはさみの刃に付着します。ヤニが付着すると切れ味が悪くなり、枝を切りにくくなります。そこでヤニ取り掃除を行います。
ヤニを綺麗に取り除くハサミのお手入れは次のように行います。
- バケツに水を入れ、その中にハサミを入れます
- 2~3時間で、ヤニがふやけてきます
- 研石かヘラでヤニを取る
これでヤニを取り除くと、ハサミの切れ味は持続し、剪定がしやすくなります。
庭木の剪定時期を間違えると、花が咲きません
庭木の剪定時期に注意しましょう。
庭木の花芽が出る前に剪定してしまうと、花が咲かなくなります。
剪定時期は庭木の種類によって違います。花の咲く時期が違うからです。剪定時期を調べるには、庭木の「図鑑」を買ってきてさんこうにすると良いと思います。ネットでこのようなことを書くのもなんですが、ネットの情報は間違っていることも多いので、図鑑や書籍で剪定時期を確認するのが確実です。
剪定を綺麗に、しかも花の付け方もコントロールするには、剪定時期も「コツ」の一つであることを覚えておくと良いでしょう。
「植木が元気になる」剪定のコツ
剪定方法によって、弱っている木も強くよみがえります。これまで20年間、植木屋をやってきて得た技術とノウハウがありますので、木が元気になる「樹勢を回復させる剪定方法」を、一つご紹介します。
イラスト①のように、木の枝の根元から出ているもう一本の枝を、②のように枝分かれの根元からしっかりと剪定します。一本の木には、このような枝が無数にあります。
剪定の角度や、葉の残し方も重要ですが、この切り方をしっかり意識して行うことで、この後の庭木の生長に勢いがつきます。これらの細かい部分を丁寧に剪定して行くことで、植木に元気と勢いを与えます。
庭木が今よりももっと活き活きとなると、お庭全体の勢いが違ってきます。お客様のご自宅にご訪問された方や、そばを通り過ぎた方も元気になるような剪定を行います。
ずばり、剪定のコツは〇〇
ここまで剪定のコツについて、剪定方法やイメージ、道具の手入れ方法などをお伝えしましたが、結局のところ剪定のコツをひと言で表現すると、
剪定のコツは「自分の好きなように切ること!」
ということかもしれません。「正しい剪定」というものはないと思います。まずは、自分の好きなように刈りこんで、それで植木の状態変化を見て、また刈り込み方を工夫してみる。そのようにして庭木と付き合っていくのも楽しいと思います。
以上、植木屋が教える剪定のコツでした。